ヨガが心と体に与える影響

わたし達の多くが、ストレス、緊張、疲労感を、普段の生活の中で感じながら、毎日の忙しさを理由に自分を労わる「自己へのケア」が後回しになりがちです

そして変化のない、「行動」や「意識」を日常的に繰り返してしまいがち

「運動不足」「疲れている」「調子が良くない」というサインに気づきながらも、変化のない毎日を過ごす内に体調を崩したり、心が疲れてしまったり、疲労感が抜けきらないまま、バランスを欠いた状態を自ら作り出してしまいます

 

ヨガの語源は、「調和」「統一」「バランス」を意味します

ヨガはバランスが欠けた 「心、体、意識」 をひとつにし、調和の取れた本来あるべき場所に戻して整える「調整法」とも言われます

 

ヨガの本来の目的は、正しい姿勢と呼吸から精神と体のバランスを整え、心身ともに健康になることです 柔軟性やポーズが上手に行える事を競うものでも、自分と他人を比較する為のものでもなく、心、体、思考、意識、呼吸、食べ物、また自分自身や人との関わり合いなど本来あるべき状態に調和させる事を目的としています



ヨガの効果

ヨガは呼吸法とポーズを取ることで体全体の筋肉や内臓、骨格(姿勢・ゆがみ)神経や精神のバランスを整えることができます

 

体の変化

姿勢が良くなる、体力や筋力の向上、内臓の活性化、基礎体力の向上など

体内環境の変化

代謝改善(老廃物を出す浄化作用、血流やリンパの循環など新陳代謝の活性)

慢性的な症状の緩和
肩凝り、腰痛、頭痛、冷え症、便秘、むくみ、更年期、月経症状など予防改善
  自律神経を調える
各ホルモンバランスの調整

自然治癒力を高める

自己調整力が高まる

気持ちや意識の変化(内観性が高まる)
集中力、感情のコントロール力の向上、ストレス、うつ症状の緩和

その他、疲労回復効果、不眠や皮膚炎、片頭痛などストレスからの症状の改善、明るい気持ちで、安定した情緒バランスを保つなど、心身共にリラックス効果も与えてくれるヨガは多忙でストレスフルな現代人に最も適した運動とも言えます

筋力がなく運動が苦手、冷えやだるさ、肩こり、むくみを改善したい、病院に行くほどではないけれど不快な症状に悩んでいる、という方にもお薦めです



ヨガって体を柔らかくすること?

「ヨガ」という言葉を聞いて心に浮かぶのはどのようなイメージでしょうか

ヨガ=体が柔らかい事?ヨガは体が柔らかい人なら有意義に行える?

本来、ヨガは体の柔らかさだけを求めるものではありません

では体を柔軟にする事はなぜよいのでしょうか?

 

ゆっくりと筋肉や関節を伸ばして行くことで、先ず血行が良くなります

体温が上がり、筋肉や関節の可動域が広がる為、ケガの予防、疲労回復、肩こりや冷え性などの緩和、リラックス効果、基礎代謝力の向上など、わたし達の体にとって様々な恩恵へとつながります

 

ヨガの基本は「ポーズ(アーサナ)」と呼吸ですが、柔軟に比重が置かれていると思われがちなヨガのポーズには、どのような効果があるでしょうか

 

内臓を刺激する

ヨガのポーズは、筋肉や関節以外にも内臓を意識しています

肩立ちのポーズや頭立ちのポーズは体を逆転する事で内臓や脳に、ねじりのポーズで胃腸に刺激を与えて活性化したり、ヨガは「内臓のセルフマッサージ」です

 

自律神経を整える

ヨガのポーズは呼吸に合わせて行いますが、自律神経を整える大きな助けになります 自律神経のバランスが調和する事で、自分の意志では改善が難しい、心身の不調な部分が良好な状態に導かれます

 

  「気」を整える

ヨガでは西洋医学では扱われていない「体のエネルギー」を意識します

日本では「気」、インドでは「プラーナ」と呼ばれ体の生命力(エネルギー)を上げる影響があります  呼吸とポーズを行いながら心と体を意識する事で、自然に自分の内側に意識が集中し、瞑想時のようなリラックスした状態に導かれます ヨガは単に体を柔らかくする為のものではなく、心を落ち着け、呼吸と体に集中を向けながら、自分と向き合う時間が持てる効果的なツールとも言えます



ヨガを行う人達

アメリカのヨガ人口はおおよそ1500万人

日本ではヨガブームが到来した2000年代以降、様々なスタイルのヨガが誕生し、ヨガ人口20~30万人から、2010年代では100万人を超えたと言われ、ヨガを行う人の数は年々増加を続けています

 

ヨガは奈良時代以来に「瑜伽(ゆが)」と呼ばれ、ラジヤヨガ(冥想)、ジユニャーナヨガ(哲学)、マントラヨガ(真言・陀羅尼)、カルマヨガ(日常生活の実践で因果を超える)、バクティヨガ(神仏への信仰三昧)など仏教や神道の実践修行や教理学の中心として伝えられて来ました

ヨガの発祥は、今から4500年前のインダス文明までさかのぼります

 

現代では国内外で多くの有名人やハリウッドスター達がヨガに取り組み、美しさや美容面など表面的な事がフォーカスされがちですが、その本当の人気の理由は現代社会に欠けがちな内側につながる「自己との対話」情報があふれ多忙なライフスタイルの中で心身共に自分を取り戻す方法としての活用なのかもしれません



ヨガの医学的効用

 

「ヨガ」とは、どのようなものでしょうか

ヨガと聞くと宗教とのつながりをイメージする人もいるかもしれませんが、フィットネス的なヨガは基本的に宗教色を排除した身体的な運動や呼吸法あるいは精神的な瞑想法として行われています

厚生労働省;「ヨガ利用ガイド(医療者用)には次のように書かれています

 

ヨガは「つなぐ」「結びつける」という意味であると言われています

「身体と心の科学」であるという人もいます

ヨガでは、身体と心を健やかに保つために、8つの段階を示しています

最近、ヨガはストレス性疾患/愁訴に対して有効であるという研究報告が増えてきました またその機序についても次第に明らかになってきています

 

ヨガの医学的効用に関する論文の中にでてくるヨガとは、8つの段階の中のおもに3つ、ポーズ(アーサナ)、呼吸法(プラーナーヤーマ)、瞑想(ディアーナ)を含んだプログラムを指すことが多く、この3つは、我が国のヨガ教室でも指導されています

 

医学的な効用や注意点を考える上でのヨガの特徴は、(1) ヨガは運動であり、呼吸法であり、瞑想である点と、(2) 動作と呼吸を一致させて行い、その中で生じる内受容覚に意識を向けるという点と、(3) 交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に導くという点、です

[出典:厚生労働科学研究費補助金地域医療基盤開発推進研究事業

「ストレス関連疾患に対する統合医療の有用性と科学的根拠の確立に関する研究」(研究課題番号:H24-医療-一般-025)]

 

そして近年、ヨガの研究は世界的に進められていて、さまざまな効果が明らかとなって来ています

実際に「yoga(ヨガ)」の臨床試験の報告件数は右肩上がりの様相を呈しています

具体的には、がん患者において「不安や抑うつの改善」「倦怠感・疲労感の改善」「睡眠の質改善」「放射線治療の副作用軽減」「術後合併症の減少」などに一定の効果を認めるとされています 

そのため、最近では医療現場においても、リラクゼーションやストレス緩和などを目的にヨガを取り入れたりする施設も出てきています

http://www.asahi.com/articles/SDI201609238086.html?iref=com_apitop からの文献


<身体の硬さ>とヨガ

「ヨガに興味あるけど、体が硬いし…」

そんな気持ちでヨガ教室に足を運ぶ事を躊躇する人も多いかもしれません

 

「クラスや周りについていけるかな」

「硬いのを見られるのが恥ずかしい・・」

 

実際には、ヨガを楽しむ事が出来るかどうかに柔軟性は関係なく、

ヨガを行う全ての人がバレリーナのように柔らかいという事でもありません 体が変化して行く楽しさ、よろこびの振り幅が柔軟な人達に比べて大きい為、むしろ体が硬い人のほうがヨガが長続きするとも言えます

 

ヨガを続けて行く事で、心と体のつながりが理解出来たり、自分と向き合う時間の中で客観性が研ぎ澄まされたり、気持ちが安定するなど、余裕が生まれ「自分の内側」へ向ける意識が高まって行きます

 

体が硬い事が=「悪い」?

柔らかい事が=「良い」?

 

そう解釈する事はヨガを続けるにつれて無くなって行きます

あるのはヨガを終えた時の心地よさだけ

あたまでは理解出来ても、初めて行ったクラスで「私、やっぱり体硬いな…」と感じてしまうかもしれません

でもそれは、”初めての場所” に心も体も緊張していたせいかもしれません

 

心と体の「力」を抜いて、そして呼吸を行う事がとても大切です

そこから身体がゆるみ、少しづつ身体が柔軟になって行きます

まずはリラックスしてマットの上に座ってみる

外へ向かう意識を、今ここにある自分に向けてみる事からはじめてみませんか